スマホ急性内斜視とは?
「最近、スマホを見ていると目が寄る気がする」「急に物が二重に見えるようになった」 このような症状が出ている方は、スマホの使いすぎが原因の「急性内斜視」かもしれません。
特に10代~30代の若年層に増えており、「スマホ斜視」という別名でも知られています。 この記事では、スマホ急性内斜視の症状・原因・検査・治療法について、眼科専門医の視点から詳しく解説します。
スマホ急性内斜視の症状とは?目が寄る・複視のサイン
スマホ急性内斜視の主な症状には、以下のようなものがあります。
- 急に片目または両目が内側に寄る(内斜視)
- 物が二重に見える(複視)
- スマホやPCを長く見た後に視線がずれる
- 頭痛や目の奥の痛み
- 片目を閉じると見やすくなる
特に「片目でスマホを見る癖」や「暗い部屋で長時間使用する習慣」がある方に多く発症します。
スマホ急性内斜視の原因
急性内斜視の直接的な原因は、眼を内側に動かす筋肉(内直筋)の過剰な緊張です。
スマートフォンの画面は顔から30cm以内で見ることが多く、この「近くを見る動作」を長時間続けることで、眼の筋肉に偏った負担がかかり続けます。
加えて、以下のような状態・集患が重なることで、眼球の位置調整機能(両眼視機能)が崩れ、「急性内斜視」が起こります。
- 視線が固定される
- まばたきが減る
- 画面を片目で見る習慣
心当たりがある方は注意しましょう。
スマホ急性内斜視の検査
眼科では、以下のような検査を行い診断します。
- 視力検査(視力の左右差を確認)
- カバーテスト(両眼のずれ(眼位)の確認)
- 複視検査(ものが二重に見える範囲と重なり方を検査)
- 眼球運動検査(筋肉や神経の異常を確認)
- 必要に応じてMRI(脳や神経系疾患の可能性を調べる)
スマホ急性内斜視は治る?治療法について
症状と程度に応じて、次のような治療を行います。
スマホ・PCの使用制限(生活指導)
- 1日2時間以内を目安に使用時間を短縮
- 30分ごとに目を休める
- 20分使ったら20秒遠くを見るようにする
プリズム眼鏡の処方
- 複視を軽減するため、プリズムレンズ入りの眼鏡を装用
- 一時的な対応やリハビリとして有効
両眼視訓練(視能訓練)
- 眼科で行う視線調整のトレーニング
- 自宅での目の体操も併用
手術(重度・回復困難例)
- 内直筋の手術により眼球の位置を調整
- 慢性化した場合の選択肢
早期発見・早期治療で後遺症を防ぎましょう
スマホ急性内斜視は、早期に生活改善や治療を行えば回復するケースがほとんどです。 しかし放置すると、恒常的な複視や視線のズレが固定される恐れもあります。
- 最近、物がぼやける・二重に見える
- スマホの見すぎが気になる
- 視線が合わないと感じる
このような症状に心当たりがあれば、お早めに眼科専門医へご相談ください。